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キルギスが暗号資産版スイスに変貌

2026/05/27 13:22
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キルギスが金担保型の国営ステーブルコインを発行し、自国の金庫を建設した。さらに、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ氏を暗号資産政策のアドバイザーに迎え入れた。

CZとして広く知られるジャオ氏は、現在キルギスのパスポートを所持し、大統領のアドバイザーとして活動している。これは、KYTLABS共同創業者でキルギスのフィンテックコンサルティング部門責任者のアルセン・エディルベク・ウール氏が明らかにした。

アルセン氏は、BeInCrypto編集長のウラジーミル・アルヒレイスキー氏への取材に対し、キルギスは緩やかな規制、銀行の支援、現実資産のトークン化インフラを整備し、地域の暗号資産ハブを目指していると述べた。

同国のアプローチはこの地域で際立っている。ロシアの規制当局が依然慎重な姿勢を続ける中、キルギスは国営の暗号資産プロダクトの構築を進め、グローバルな事業者の誘致を図っている。

キルギスが2種類の国営ステーブルコインを発行

アルセン氏によると、サディル・ジャパロフ大統領は国内の暗号資産市場戦略に深く関与しており、この分野への理解も深い。

政府は主要な市場関係者と協力し、国内で暗号資産企業が事業を展開できる明確な枠組み作りを進めている。

この戦略の一環として、当局は国営ステーブルコインの開発を決定した。

財務省は約1億ドルの予算を受け取り、実物の金を購入した。その金は準備金に組み入れられ、ドルに連動するトークンの裏付けに活用された。

ステーブルコインはキルギス国内の新たな金庫に保管された実物の金で担保されている。アルセン氏は、この金庫を「フォートノックスのローカル版」と説明した。このトークンは財務省の完全保有となる。

2つ目のステーブルコインは、キルギスの法定通貨ソムを担保とする。バイナンスとの提携により、BNBスマートチェーン上で発行された。

このプロジェクトは国家仮想資産庁と国家仮想資産委員会の管轄下にある。チャンポン・ジャオ氏もこの委員会のメンバーとなっている。

新設の金庫が現実資産プロジェクトを支援へ

キルギスは大規模な金庫施設も建設した。アルセン氏によれば、この金庫は周辺国の準備金も受け入れ可能な容量を持つ。

同氏は、キルギス自身の金・外貨準備はこの施設の1割未満しか占めないと見積もった。

政府のより幅広い目標は、現実資産プロジェクトのハブとなることにある。プロジェクトが実物の金をキルギスに保管し、それを裏付けるトークンを発行できる体制を目指す。

アルセン氏は、この戦略はスイスが中立的な保管先としての魅力を一部失い始めたことが背景にあると指摘。地政学的変化により、以前よりスイスの政治的中立性が薄れたとみている。

この状況はキルギスにとって機会となる。同国は金の保管、トークン発行、暗号資産や現実資産企業にとって親和的な規制環境の提供を目指す。

バイナンスはこの取り組みにおける最初の主要パートナーとなった。まずは法定通貨担保型トークンの発行にBNBスマートチェーンを活用した。

チャンポン・ジャオ氏が担う暗号資産戦略の役割

チャンポン・ジャオ氏は現在、キルギス大統領の無報酬アドバイザーを務めているとアルセン氏は述べた。

現地規則では、大統領アドバイザーはキルギス共和国の市民でなければならない。つまりチャンポン・ジャオ氏はキルギスのパスポートを取得している。

アルセン氏によれば、バイナンスとチャンポン・ジャオ氏の起用は政府の戦略的判断だった。大統領のチームは世界の暗号資産トレンドを観察し、中央アジアを成長市場とみなすグローバル企業との連携を目指す。

キルギスはカザフスタンとの差別化にも取り組む。

カザフスタンには英法体系を採用したアスタナ国際金融センターがあるが、アルセン氏は現状下ではこのモデルが暗号資産市場にとって複雑さを増す要因になると指摘した。

キルギスはより緩やかな規制を採用。企業が同地域でテストを行い、地元銀行が暗号資産との統合準備を進めるための余地を確保する。

銀行が暗号資産管理に備える展開

アルセン氏によれば、ドバイでバーチャル資産サービスプロバイダー、ブローカー、証券業者のライセンスを維持するコストは年間100万ドルを超える場合がある。

キルギスではコストがその数十分の1で、同様のビジネス機会を得られると語る。

また、暗号資産企業はドバイで銀行サービスを断られるケースが多いが、キルギスの銀行は対応に積極的だという。

同国は現在、銀行法の改正を準備中。改正案が成立すれば、銀行が仮想資産との取引や保管サービスを提供できるようになる。

アルセン氏はこの改革によりより大規模な事業者の参入を見込む。銀行アプリにテザー(USDT)を使った送金システムが導入される可能性もあると述べた。

暗号資産は既に銀行アプリに進出

キルギスの一部銀行は既に暗号資産購入機能を自社アプリに導入済み。アルセン氏によると、現在約3行がこの機能を提供している。

法的には、銀行が暗号資産を直接販売するのではなく、外部パートナーを経由して提供する形を採用する。

利用者が同意すると、銀行は顧客の個人情報とKYC情報をパートナーへ送信し、パートナーが暗号資産口座を開設する。

これら銀行アプリを通じ、ビットコインやイーサリアムなど主要資産に加え、USDTなどのステーブルコインも購入できる。

一般ユーザーによる暗号資産の利用法

キルギスの市民は、投資や海外取引に暗号資産を利用しているとアルセン氏は述べる。

また、一部の人々は中国への渡航時や現地での支払い時にUSDTを活用。現金の持ち運びを避け、自身の資金をUSDTに換え、渡航先で現地通貨に両替する。

複数のキルギスの銀行も暗号資産カードの開発に取り組んでいる。これらの商品は中央銀行の規制サンドボックスのもとで進められている。

一方で、キルギスの現地決済システム「Elkart」は、中国の微信(WeChat)との連携を進めている。アルセン氏は、将来的にアジアの60カ国以上へのアクセスが可能になると述べた。

現時点で、キルギスの方針は明確である。同国は暗号資産の規制や銀行アクセス、金本位インフラを活用し、地域のデジタル資産ハブとなることを目指す。

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