ブレント原油はホルムズ海峡の再開にもかかわらず79ドル近辺で推移している。市場が供給回復を織り込まない理由とは。ブレント原油はホルムズ海峡の再開にもかかわらず79ドル近辺で推移している。市場が供給回復を織り込まない理由とは。

ホルムズ海峡は開通、原油価格が大幅下落しない理由

2026/06/19 14:46
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ブレント原油は6月18日に1バレル79.46ドルで取引された。1カ月前の112.93ドルから約30%下落した。しかし、ホルムズ海峡が再び開通し船舶の航行が再開した現在、多くはさらなる下落を予想していたが、実際には値は下げていない。

その理由は、供給が戻りつつある中でも、原油価格の下支えとなる要因が静かに働いているためである。

開通イコール正常化ではない

海運情報会社Kplerによると、約500隻の商船がペルシャ湾内に依然として取り残されている。狭い海峡はこれらの船舶を一度にさばけない。ホルムズ海峡の海上交通量は依然として戦争以前の水準に遠く及ばず、船長や保険会社、船主らは機雷除去の完了と国際的な航路の復旧が確認されるまで、自船の運航再開を見送っている状況。

原油は1バレル80ドル未満を維持している。海峡開通の報道で原油価格はむしろ上昇 出典: Trading Economics

米エネルギー情報局(EIA)の6月見通しでは、ホルムズ海峡が夏のほとんどの期間で実質的に閉鎖されていると想定し、原油の輸送量が戦前のレベルに戻るのは2027年初頭としている。

産油国は独自の回復ペース

3カ月以上停止した油田の再稼働は、スイッチを一晩で切り替えるようにはいかない。リスタッド・エナジーのチーフエコノミスト、クラウディオ・ガリンベルティ氏は、AP通信へのコメントでこの点を端的に語った。

キャピタル・エコノミクスのエコノミストは、エネルギーの流れが9月までに戦前の水準の8割まで回復すると推計する。イラクの油田は停止期間が長期化したため、完全な復旧には1年近くかかる見通し。

市場はまた、イラン合意が維持されない可能性も織り込んでいる。米海軍が湾内に継続展開していることや、イラン側の履行不透明感もあり、地政学的リスクが依然として残存している。このリスクプレミアムが価格の下限を支えている。

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